日々凶日

世の中を疎んでいる人間が世迷言を吐きつづけるブログです

神話体系

現人神の認定者―出雲国造神賀詞から読み解く―

今日、上野にある国立博物館で開催中の『出雲と大和』という企画展に行ってきた。この企画展は日本書紀が編纂1,300年を迎えたことに開催されたもので、日本書紀の正史的な神話観に寄ったものではなく、信仰と政治の関係を考古学的見地から分析する実に中立的…

信仰、教学、規範

宗教と一言にいうけれども 宗教、この言葉はとても多様な意味合いをもつ言葉である。仏教、神道などの一般的な宗教もあるが、他にも、何かを信じることやあるものに熱中することにも使われる。 私はこういう曖昧な使われ方をされる言葉が好きではなく、よく…

肉感的な神と観念的な神

『まつろわぬ神々が近代なってから本格的に零落した』と今まで二つの記事で取り上げてきたが、その意味について詳しく語ることを避けてきた。この感覚はあくまで私がさまざまな寺社仏閣、教会等々を巡るなかで得た肉感的(アクチュアル)な現実であり、言語化…

まつろわぬ神々の黄昏―諏訪信仰―

出雲と諏訪 大和朝廷に反逆した神々のなかで、ひときわ大きな影響力を持つ神が諏訪族の神々と出雲族の神々である。両者の神話は大和王権の神話のみを扱い、正史を造ることを目的に編纂された日本書紀においても大きな比重を占めており、この二氏族がいかに大…

藻岩山と円山―まつろわぬ神々の行く末―

北海道神宮と円山 札幌神社(現北海道神宮)は、箱館八幡宮宮司や島義勇らの構想はあったものの、その大元は現在の北5条東1丁目にあった出雲神の小祠(普通は道祖神が多い)といえる。この祠を作ったのが後の円山移転に関わる早山清太郎である。 早山清太郎は、…